ALIEN

お金持ちの息子を目の前に、お金持ちのお母さんを相手に笑ってる。旦那さんの力でここまで来たんでしょ？でも一応年上の考えは聞いとくか。お金がなくても別に幸せ。なんて言いたくなる瞬間。ベッドで横たわって、この貯金残高なら好きな物は買えないかって我慢した日を思い出す。お金があれば、とりあえずは幸せ。でも求めてるものはそんなんじゃないし。愚痴ったりしても意味のない気持ち。時間とお金で等価交換。今まで好きだった物や人を嫌いになって、じゃあ私に何が残るんだろうか。知らない人の笑い声が怖くて、お酒を飲み過ぎて吐きそうになってる。今は何に吐きそうなのか。体調の悪さか。資本主義の気味悪さか、将来とかいう意味のわからないものか。適当に抱ける女でもいれば少しは気が休まるのか。だけど僕には彼女がいるし。しかもその彼女は最高だし。もうなんでもよくなる日が多すぎて辛い。煙草はメンソールに変わった。秋だから度が強いのを買おうか。僕の気持ちはいつだって変わらないはずなのに、変わってしまうのは良いことなのだろうか。お酒を飲んだ後の気持ちが本心ならば、自分にはあってないような信念なのだろうか。人生なんてクソだ。まあそんな日があるからいいんだろうか。