19になった

ドキュメンタリー・アンド・モキュメンタリーブログ

深海

ドドドと言う音とともに身体に重力がかかる。束の間、身体が浮いたような感覚になる。聴覚は徐々に正常に機能しなくなっていって、僕はある一点を見つめるようになる。街は遠くなっていく。雲には近づくがあの人には会えないままだろうか。
何かが食い違って、僕たちは離れ離れになった。さっきまでいた場所にはもうどうしても戻れないのだ。あの日、あの時、ああ言わなければよかったのだろうか。もしくは、あの日、あの時、大切な何かをきちんと伝えておくべきだったのだろうか。考えても仕方ない事ばかりを考えてしまう癖は、今の今でも治る気配はない。
コンクリートに身体を強打した。なのに僕はまだ息をしていた。
徐々に世界は暗くなっていった。明るいのが朝ならば、これは夜ということになるか。
上下左右がわからなくなった。まるで宇宙にいるみたいな孤独なのだろうか。光がある方が上なのだろうか。若しくは。
優しく僕を蝕んでいく生物たち。これには見覚えがあった。なぜか懐かしく感じた。僕は安らかだった。僕は安らかだった。君はどうだった?君は。