19になった

ドキュメンタリー・アンド・モキュメンタリーブログ

Schwa

「君の匂いはどこか懐かしい感じがする。」

と言いそうになってやめる。

君と居酒屋に行く。

コロナのせいで亡くなったもの一つ思い出してる。

僕はいつも通りビール一杯で真っ赤になって、君が驚く。

「ここのお店はピーマンの肉詰めが美味しいですよ。」

「本当だ美味しい。」

「嫌いな食べ物は?」

なぜかネガティブな質問が口から出る。

タバコを吸って息ができなくなる。

肺疾患を持ってるのになんで僕は吸っちゃうんだろうか、と考えながらもう一本吸う。

誰かの叫び声がする。うるさい。

「どこか別のところ行きませんか。」

「そうだね。」

手早く会計を済ませて、お店の前のコンビニによる。アイスを買って、あてもなくフラつく。

「あの人の新しいEP聴きました?」

本当はもっとエロい質問がしたい。

あいつは抱いてよって言われたのに、俺はなんか意味わからないことばっかしてる

「きいたよ。よかったね。」

君はいつもそう。否定なんてしない。でも僕は君が見たいって思う。僕のことを否定して欲しい。

「終電ありますか?」

「うん。あと10分かな。」

「あ、よかったです。」

「誘わないの?」

「え?」

「私もう待てない。」

なんてなることなくて、彼女は改札を通る。

振り向いて欲しい。女々しいわがままだけど、そう願う。