weekender
名前がないでしょう、私たち」
セックスしなきゃセフレになれないの?」
セックスできないのに、セフレなんてなりたくてなるもんじゃないんじゃないの?」
じゃあ私たちに名前なんて必要じゃないんじゃない?」
うーん」
世間がどう言おうがどうでもいいじゃない。あなたは今幸せなの?」
幸せだよ」
じゃあそれ以外に何が必要?私たちの関係に世間の承認なんて要らないでしょ」
そうだけど」
モヤモヤするの?」
うん」
その感覚が間違ってるんだよ」
そうなのかな」
あなたがモヤモヤするのは私たちの関係に名前がないってことじゃなくて、私たちの関係を見て見ぬ振りする世間に対してでしょ?」
うーん、そうかもしれない」
私たち世間からしたら社会不適合者なのかもしれないけど、でもそうじゃないよ。社会が私たちに不適合なの。誰が誰と恋愛しようがセックスしようがそんなのどうでもいいじゃない。私たちは彼らと海に行ったりラウンドワンに行くことだってないんだし」
そうだね。でも世間に認めて欲しいよ」
世間が認めなくても私たちはここにいるし、世間から認められたからなんなのさ。それで得れるものってなに?」
私は手を繋いで街を歩きたい」
それは私じゃないよ、本当の彼女としないと」
わかってるよ。でも彼女が嫌がるの」
でもそれを私としたところであなたは満たされるの?」
わからない」
満たされたフリをするだけよ」
そうなのかな」
そうだよ」
小さい頃は愛ってもっと自由だと思ってたよ」
自由なんだよ!他人の目とか気にしすぎだよ。あのね、他人の目を気にして自分がしたいこととかを躊躇う時ってあるでしょ?」
うん」
そういう時は最近 Nobody can see me って呟くの。そうすると、私はまるで透明人間みたいにね、やりたいことがなんでもできるようになるんだよ」
そうなの」
うん。そうなの。私あなたといると切ないわ」
どうして?」
だってあなたは私を好きじゃないし、私が何を言っても何も効果がないもの。私はあなたが求める言葉を吐くけど、私はあなたが求めてる人じゃないんだよ。だからあなたは私を寂しくさせるの」
そうなの」
うん。そうだよ。