19になった

ドキュメンタリー・アンド・モキュメンタリーブログ

Untitled

ぼんやり言葉が浮かんでくる。白い文字が徐々に汚れてくることを見た海辺の夕日。ゆらゆら消えては浮かび上がってくる文字列は、僕の頭をするりと通り抜けて、誰かの脳内を侵食していく。見下げる砂浜には甲殻類がいて、僕はそれを潰すことで快感を得て、どんどん楽しくなってくる。しまいに僕は何も感じなくなって、急に謝るとしても遅すぎた時間を巻き戻せずに、何もできないまま、雨が僕の全身を刺す。雨の音は喜びから退屈へと徐々に姿を変えていく。ラララと口に出すことができればインストの曲が一つの歌となり、陳腐なものに成り下がり、また、一つの現代を反射する鏡となる。無意味なものは永遠に無意味なまま姿を変えることはなく、姿を変えて見る人間が増えるだけだ。そうこうしている内に溜まる雨水が僕の腰にまで到達した瞬間、雨が空中で止まり、僕はその間を自由に駆け巡ることができて、最後は水の上に浮かび、ユラユラと揺れた後、僕が水の中に沈んでいくことを感じ、僕は僕の終わりを信じることができた。空から降る雨は逆再生され、僕は雨を知らず、雨は僕を知らない様になった。それでよかったと思った。でもそれがよかったと思えるような勇気はなかった。