PONPONPON
もしタイムマシンがあったらどうする?」
うーん、どうしようかな。どうするん?」
私は生まれた時からやり直したいから19年前に戻りたい。」
何をやり戻すの?」
なりたい自分になりたいの。」
なりたい自分って?」
うーん、私もあんたみたいに愛想よくなって皆んなに好かれたい」
私になるためにタイムマシン使うの?」
うん。だって正直めっちゃ羨ましい。ずっと皆んなに囲まれてたり、友達おらんって悩んだことないやろ?」
うーん。ないかな。でもな私もゆいちゃんのこと羨ましいで。」
なんで?自由に見えるん?」
そう。私なんか1人になりたくても1人になられへんし。それに人の空気読むのなんかめっちゃ疲れるし」
あんたも気をつかうん?」
そりゃ気つかうよ。でも別に嘘ついてるわけじゃないで。なんやこいつの話全然面白くないわって思っても何だかんだ色々質問したり愛想笑いとかするの疲れるんよ」
なるほど。あんたも努力してるんやな。」
そうやで。でもゆいちゃんは自分の気持ちにいつも正直やんか。誰にも媚びてないっていうか、自分貫いてるって感じがする。」
そう言ったらなんかカッコよく聞こえるけど、私コミュニケーション下手なだけやねん。他人に興味わかへんし。気も使われへんし。別に1人が嫌なわけじゃないで?でもあんたとか見てたらたまに寂しくなったりするねん。みんなでワイワイとかもたまにしてみたいし。」
たまにならいいよな。毎日そんなんやからしんどいよ。それに今日は、って断ったらそのあとどうなるか分からんし」
ほんまに?めっちゃ仲よさそうやのに、そんな綱渡りなん?」
綱渡りって(笑)」
七尾旅人みたいやな」
え、なにそれ」
りんご音楽祭 サーカスナイトで調べたらめっちゃカッコいい動画見れるで」
今度調べてみる。ほら、私が知らんこといっぱい知ってるし。羨ましいよ。」
なんでなんやろうな」
なにが?」
お互いがお互いになりたがってる。私からしたらあんたは魅力的やし、あんたからしたら私は魅力的なんやろ?」
うん。」
結局さ、自分が自分のことどう思ってようがさ、誰かにとっての憧れの対象なんやろ?じゃあもっと自分に自信持つべきじゃない?」
たしかにそうかも。なんか自分が自分を認めるのにビビってるんかもせえへん」
そうやでな。自分のこと嫌な目で見るからやでな。結局見方変えてみたら長所も短所もあてにならんよな」
うん。隣の芝は青いって、ほんま考えた人すごいと思うわ。」
うん。結局人間ないものねだりなんやな。なんか自信持てた。」
私も。」
じゃあどうする?タイムマシンあったら使う?」
私はでもブルーハーツのライブに行きたい」