夢の途中
ねえ、彼氏のどこがいいの?多分あの彼氏より僕の方がいいんだと思うんだけど、」
そういう事言わないのよ、私の彼氏は」
ハハハ、悔しいな〜」
ねえ、なんであなたはそんなに私の事を好きっていうのよ、ほんとは好きでもなんでもないんでしょ」
君も好きだよ、でも君といる僕はいつもの僕より少しいい奴だから好きなのかも。」
それで少しいい奴なら普段のあなたはどんな奴よ、人として腐ってるんじゃない?」
辛辣すぎだよ。」
ところで、私を好きな理由はそれ?」
うん。」
それって愛じゃないんじゃない?」
愛のことなんてわからないよ。蒼井優が”その人が好きかよりその人といる自分が好きかどうかの方が大事“みたいなこと言ってたよ」
私、好感度高い人嫌いなのよ。だからその言葉も嫌い。」
じゃあもし坂上忍が言ってたらどう?」
私好感度低い人も嫌いなのよ」
君は本当に難しいね」
あなたが簡単すぎるの」
、、、」
、、、、、、、」
ねえ、酔ったから言うんだけど」
うん」
僕、君とセックスしたい訳じゃないんだよ」
え?」
お風呂上がりの君の髪をドライヤーで乾かしたり、君からタピオカ一口貰ったり、僕が晩御飯を払った後に君と一緒にアイスクリーム食べたりしたいんだよ、君のお金で」
私とセックスしたくないの?」
そういう事を言いたいんじゃないの。君は僕にとって性の対象じゃなくて愛の対象って事なんだよ」
セックスしないの?」
できるならしたいよ、」
したいんじゃない(笑)」
茶化さないでよ、」
ごめんごめん、でもわかってるでしょ?私たち付き合ったとてきっとうまくいかないよ。食べ物の好き嫌いはアベコベだし、あなたマーベルもジブリも途中で寝ちゃうじゃない、私ガリガリ君はソーダより珍しい味選んじゃうし」
わかってる。だから付き合わない。告白もしない」
もうしてるわよ」
まあそう捉えられかねないけど。してない。君の一瞬の一番より、二番でも長く一緒にいたいし」
ねえ、そういえばあなたレモンサワー一杯しか飲んでないじゃない」
僕、弱いんだよ、お酒」
あなた嘘ついたら顔を触るでしょ」
触ってた?」
うん。」
疾走
ところで寝れない日はどうしますか?どこか出かけますか?いずれにしろ僕は一人です。今はベッドを信頼しすぎてサウンドクラウドを開きました、そこから流れる僕が好きな人が少し音を外しながら歌う僕の知らない曲はなんだか色っぽいんです。そんな音を聞きながらタバコを吸ってみてもいいんですけど、それには頼りたくないんですよ。僕、明日からバイトなんです、朝から。だから早く寝たいんですよ。こんなつまらないオールなんてしたくないし。どうせ明日のお昼には眠くなっちゃうし、睡眠薬でも飲みますか?痛い痛いあなたの善意が痛いです。だからもう少し冷たくしてください。たまに一生寝なくていい身体になんないかなってことを考えたりすることもあります。でも最後には決まってお昼過ぎまで寝たいって気持ちになります。でも寝なくてもいいのに寝るのと、寝なきゃいけないから寝るのとでは精神的な余裕みたいなものが違いますよね。でもどちらもいいものだと思います。ああ、文章でお金もらえないかなあ。こんなことを考える僕は不純だと思う。だけどそれぐらい本気なんです。プロデュース力は枯れてる、というか元からないから、だれか僕をプロデュースしてくれ!あくまで他力本願でいたい。永遠にかき揚げとざるうどんを他人のお金で食べてたい。たまにお肉も食べたい。たまに彼女に理不尽な理由で振られないか心配になる。たこ焼きの食べ方をダサく感じちゃった、とかMaroon5を口ずさめたからとか、寝言が絶望的にダサいとか。
香港の子たちは中国政府が大嫌いだから頑張って。結局は他人事なのよ。別にあなた達の子と嫌いじゃないけど好きでもないのよ。それにしても中国料理って辛すぎない?あれどうにかしてよ。食べきるのは本当に地獄だったよ。まあとにかく、若者!頑張れ!負けるな!
でも頑張れって無責任な言葉よね。具体的なアドバイスはなんもなし、あなた楽したいだけじゃないか。本当に頑張れって思うなら具体的な使えるアドバイスか、お金か、ご飯を奢ってくれ!!口だけならタダよ、安っぽい。とか言って結局は他者犠牲の上で成り立つ努力的なものを努力と呼んだりしないし、まあ努力なんて無駄だし、結局頑張れって言われたところでお前に言われなくてもな!!で返すような人間にならないとね。
はい、じゃあおやすみ。って言ってもまだ寝れそうにないんだけど。独り言って永遠に続くよね。もう書くの疲れたから、もうやめるけど、僕の独り言はまだ続きます。聞きたいなら、、って別に聞きたくないか、って僕はあの子を想像しながら頭の片隅で呟きます。
Untitled
雨が降るのに誰も傘をさそうとしない。すごく嬉しくなってやっぱり僕は飛び跳ねる。僕は覚えてる、夏の台風の夜、傘を捨てて外に出て、誰もいない別世界の中で子供のように雨と遊んだことを。僕は覚えてる、雨の中を傘を忘れて去っていく女の後ろ姿を、抱きしめることなんてできなかった、遠い後ろ姿に聞こえた耳鳴りのことを。僕は忘れられない、大きな木の下で雨宿りしながら休めた肉体のことを。雨の日に出会った人がいて、雨の日にした後悔があることを僕は忘れることができない。侘しく照らす電灯に映る名前のない滴は一滴一滴刻一刻と形を変えて流れていく。それは僕に永遠と刹那の両方を教える。雨の音があの人の声をかき消して、雨の音で聞こえないふりをしたあの人の声がある。誰も雨の色を見ることはなく、誰も雨を掬おうとはしない。ふんずける水溜りから弾けた大粒の雨がまた新たな水溜りを作りそこで僕は世界の仕組みを知る。雨が悪い天気だと言う人の口に大量のマシュマロを打ち込み、火をつける女を見て僕は恋に落ちた。雨の日に聞く曲を決めてるか?僕は決めてる。でも彼女は決めていなかったから、そっとサングラスを外した。雨宿りはバカのすることではない。雨宿りは雨を楽しむ大人の嗜みであると言ってたおじいさんの手を握り、回らない方向に腕を回しもぎ取った。やはり雨はいい。晴れもいいが、雨もいい。
TOBACCO
ダルそうな目にダルそうな話し方、どこをとっても君はスーパーセクシーだ!抽象的なことばっか言う奴と違って君はいつも具体的だ。なんてセクシーなんだ!君は洋楽ばっか聞いてる、わかるよ、j-popなんてクソみたいな曲ばかりだから。でも僕が好きな曲も少し聞いてよ。一緒にアイスクリームみたいに溶けてドロドロになろうぜ!ほら、あいつらはまた意味のわからない言葉を並べて声高に演説なんかしてるぜ、でも皆んな気づいてるんだよ、そんなことしたって無意味だって。この世界に真実を見ようとするものはいないだろ。外見だけで満足するような奴らばかりさ。それもこれも全部あいつら自身のせいだ。悲しい真実より身軽な作り物を見るようになったからね。でも君は違うんだ、君はいつも物事の本質を見極めてるし、誰も気づかないことに君は気づけるんだ!君はあいつらとは違って卑屈でも退屈でも窮屈でもないんだ!もう君を決めつけることも縛りつけることもできないさ!君をものすごく高いビルの最上階まで連れてって、凄く美味しいご飯に、凄くいいお酒を用意したって君には敵わない。君はなんてクールなんだ!世界はつまらないし、色々複雑だけど君がいればもう何も問題なんてないよ!
なんてね。
LOVE
君は強いからそれでいいんだよ、なぜ宗教なんか信じるかって君は聞くけど、僕はね、あくまで僕はだけど、弱い人間だから、死んだら何もなくなるって考えるより、死んだら極楽が待ってるって考えた方が気持ちが楽になるし、死ぬことが悪いことじゃなくなって、それでさ、生きてるのも悪くないか、なんて思えるんだよ。
それに多少の戒律があって不自由になれば、その中で活き活きできると思うんだ。
君の言う、都合がいいって事もわかるんだよ、でも自分の人生都合良く考えてなんぼだとも思うんだよ、ほら、幸せか不幸かは見方次第って事よく言うじゃん、それとなんにも変わらないんだよ。それに僕たちもきっと都合良く誰かになんかされてるんだし。
でも君が分からなくてもいいんだよ、信じる人に証拠なんて要らないし、信じない人にも証拠なんて要らないし、だから干渉と言わずに互いを理解しようよ、COSAもそう言ってたし、
あ、ところでさ、君がもし科学しか信じないなら、君が抱える不安とか、恋心とかそういうものも信じないの?
https://itunes.apple.com/jp/album/love/1128292575?i=1128292663
深呼吸
ライターに手をかけてタバコに火をつける。タバコの火は落ちていく夕日より弱々しかった。マンションの5階から見下ろす街には、電車が走っていて、その中を僕は君がいないかなと探す。見えるわけはないし、いるわけもないのに。でも僕にはなんとなく君を見つけれる自信はあるんだ。
タバコを始めたのは2年前で、タバコ嫌いだった彼女と別れてから吸い始めた。なんとなく始めたわけじゃなくて、昔の片思いの人になんとなく近づいてみたくて、彼女が吸ってたタバコを始めた。「あんたはタバコを吸わない様な女の子と付き合いなよ」僕がいつも彼女に言われてた言葉だ。その言葉を聞くたびに僕が傷ついていたことを彼女は知らない。
彼女とは学校帰りに色々な話をした。愚痴から始まって、将来の不安、男と女のこと、セックスとかも。年下の僕に見向きもしないから僕は気がラクだったのかもしれない。
二年早く卒業した彼女とは連絡を取らなくなって、いつしか僕も同い年の女の子を好きになって彼女のことなんて忘れかけてたけど、タバコの匂いが彼女のことを思い出させた。
SNSで彼女が結婚して、子供もできたことを知った。嬉しかった。けど、青春の思い出が思い出として完成したことが僕の心臓に突き刺さったりもした。
タバコが吸い終わる時、風がなる音がして、見上げた空には一等星が顔をだしていた。
weekender
名前がないでしょう、私たち」
セックスしなきゃセフレになれないの?」
セックスできないのに、セフレなんてなりたくてなるもんじゃないんじゃないの?」
じゃあ私たちに名前なんて必要じゃないんじゃない?」
うーん」
世間がどう言おうがどうでもいいじゃない。あなたは今幸せなの?」
幸せだよ」
じゃあそれ以外に何が必要?私たちの関係に世間の承認なんて要らないでしょ」
そうだけど」
モヤモヤするの?」
うん」
その感覚が間違ってるんだよ」
そうなのかな」
あなたがモヤモヤするのは私たちの関係に名前がないってことじゃなくて、私たちの関係を見て見ぬ振りする世間に対してでしょ?」
うーん、そうかもしれない」
私たち世間からしたら社会不適合者なのかもしれないけど、でもそうじゃないよ。社会が私たちに不適合なの。誰が誰と恋愛しようがセックスしようがそんなのどうでもいいじゃない。私たちは彼らと海に行ったりラウンドワンに行くことだってないんだし」
そうだね。でも世間に認めて欲しいよ」
世間が認めなくても私たちはここにいるし、世間から認められたからなんなのさ。それで得れるものってなに?」
私は手を繋いで街を歩きたい」
それは私じゃないよ、本当の彼女としないと」
わかってるよ。でも彼女が嫌がるの」
でもそれを私としたところであなたは満たされるの?」
わからない」
満たされたフリをするだけよ」
そうなのかな」
そうだよ」
小さい頃は愛ってもっと自由だと思ってたよ」
自由なんだよ!他人の目とか気にしすぎだよ。あのね、他人の目を気にして自分がしたいこととかを躊躇う時ってあるでしょ?」
うん」
そういう時は最近 Nobody can see me って呟くの。そうすると、私はまるで透明人間みたいにね、やりたいことがなんでもできるようになるんだよ」
そうなの」
うん。そうなの。私あなたといると切ないわ」
どうして?」
だってあなたは私を好きじゃないし、私が何を言っても何も効果がないもの。私はあなたが求める言葉を吐くけど、私はあなたが求めてる人じゃないんだよ。だからあなたは私を寂しくさせるの」
そうなの」
うん。そうだよ。